車や自転車のタイヤ処分は、ごみに出す・リサイクルに出す・売却するなどさまざまです。タイヤはまだ使える場合と、もう使えなくなった場合で処分方法が異なります。
この記事では、タイヤを処分する9つの方法を紹介します。また、破棄すべきか売却すべきかの判断基準も解説しますので、最後までお見逃しなく。
自治体でのタイヤ処分は可能?
使わなくなったタイヤはなるべく素早く手放したいものです。タイヤを処分する方法のひとつとして自治体での処分を思いつく方もいるでしょう。
しかし、ゴムやワイヤーといった素材を組み合わせているタイヤは、自治体での廃棄処分が困難であるため、環境省が「適正処理困難物」に指定しているため、タイヤは自治体に回収を依頼することができません。
ただし、自治体によっては別料金で廃タイヤを回収しているケースもあるため、事前に一度確認してみるとよいでしょう。
タイヤ処分の際のルール
タイヤは廃棄物処理法で規定されており、不法投棄した場合の罰則も定められているため、適切に処分しなくてはいけません。そのため、タイヤ処分に関するルールをよく知っておくことが大切です。処分する際に困ることがないよう、しっかりと理解しておきましょう。
廃棄物処理法により処分方法が定められている
廃棄物処理法は、環境保全を目的に廃棄物ごとの適正処理について規定している法律で、産業廃棄物と一般廃棄物の2つに分類しています。廃タイヤにおいては、一般消費者から出た場合は一般廃棄物、事業者の活動によって生じた場合は産業廃棄物の分類となります。
個人的に使用していた車のタイヤを処分したい場合は一般廃棄物に該当するため、タイヤ販売店が引き取ることになっています。処分を依頼する場合は費用を支払うことが必要となります。
タイヤを不法投棄した場合の罰則
不法投棄とは、廃棄物を不適切な場所に投棄することをいいます。廃棄物は定められた最終処分場で廃棄することがルールとなっており、ルールを破ればもちろん厳しい罰則があります。
不法投棄した場合の罰則や罰金については、個人の場合は「5年以下の懲役もしくは1,000万以下の罰金または併科」、法人の場合はさらに重く、「法人に対して3億円以下の罰金」の処罰内容となります。
決して軽いとはいえない内容の罰則であるため、不法投棄は絶対にやめましょう。
適切に処分されたタイヤはリサイクルされる
適切に処分されたタイヤは、ほとんどがリサイクルによって再生ゴムや燃料として利用されています。また、中古タイヤとして海外に輸出されている物もあります。
JATMA(日本自動車タイヤ協会)の2021年のデータによると、重量にして98万7,000トンの廃タイヤが排出され、約92%(90万4,000トン)がリサイクルされていることが分かっています。ごみとなったタイヤが新たに生まれ変わり、違う形で利用されることはよいことですね。
処分されたタイヤのその後
使わなくなったタイヤは処分したあとどうなるかというと、適切な処理が行なわれたのち、9割もの廃タイヤがリサイクルされ、別の姿に生まれ変わって私たちの生活を支えています。
おもなリサイクル用途は燃料であり、廃タイヤの約6割を占めています。
タイヤから生まれる燃料は軽油や重油のように質が良く、国内の廃タイヤだけでは供給が追いつかないほどの需要があります。
さらに燃料としての役割を終えて残った灰は、コンクリートの材料や着色剤などにも活用され、最後まで惜しみなくリサイクルされるのです。
【もう使えない場合】タイヤの処分方法

処分予定のタイヤがボロボロで使えない場合は、以下6点の方法で処分しましょう。
- 自治体に粗大ごみとして出す
- ガソリンスタンドに持っていく
- タイヤの販売店・カー用品店に引き取り依頼する
- ディーラーに依頼する
- 不用品回収業者に処分してもらう
- 自動車修理工場に持ち込む
手軽に処分可能なため「時間がなくて処分できない」と悩んでいる方におすすめです。
方法1.自治体にごみとして出す
自治体にごみとして出せるのは、自転車のタイヤです。自転車タイヤは自治体によって可燃ごみ・不燃ごみ・粗大ごみに分かれます。ごみとして捨てる場合は、以下の流れで処分しましょう。
可燃ごみ・不燃ごみ | 1.不燃ごみナイフなどでタイヤに切り込みを入れ、ワイヤーを取り出す 2.ワイヤーは金属なので分別して処分する |
粗大ごみ | 1.自治体に問い合わせて処分の日時を予約する 2.コンビニやスーパーなどで粗大ごみ処理券を購入し、タイヤに貼り付ける 3.予約した日時に指定のごみ置き場に持っていく |
自転車タイヤの区分も、各自治体のホームページに記載されているので、はじめに確認してみてください。
ちなみに、車タイヤは「適正処理困難物」に指定されており、自治体にごみとして出すことができません。破棄する際は特別な方法で処分する必要があります。ただ、一部地域では粗大ごみとして破棄できるため、お住いの自治体ホームページをチェックしてみてください。
自治体に粗大ごみとして出す | 自転車タイヤ約200~400円 |
方法2 ガソリンスタンドに持っていく
あまり知られていませんが、ガソリンスタンドでも車タイヤの回収を行っています。セルフのスタンドでは回収が不可能なことがあるため、必ずスタッフが常駐している店舗に持っていきましょう。
また、系列店やチェーン店のガソリンスタンドでも、店舗によって回収している場所とそうでない場所があります。金額も店舗ごとにさまざまなので、安く処分したい方は複数の店舗に聞いて比較しましょう。
ガソリンスタンドでの費用相場 | 1本約300~350円 |
方法3.タイヤの販売店・カー用品店に引き取り依頼する
タイヤの販売店やカー用品店では、車タイヤの引き取りサービスを実施しています。タイヤを購入した時に、古いタイヤを交換する形で回収してもらうのが一般的です。
タイヤの交換時などにその場で引き取ってくれるため、手間も時間もかかりません。タイヤ販売店の中には、ネットでタイヤの購入や回収依頼の予約ができ、簡単に処分ができます。
タイヤの販売店・カー用品店で費用相場 | 1本約300円 |
方法4.ディーラーに依頼する
車のタイヤを処分後に新規購入を検討している場合は、カーディーラーに回収の依頼をしましょう。基本的には新規購入が条件ですが、不要のタイヤのみを回収している店舗もあります。気になる店舗がある場合は、回収だけでも対応しているか聞いてみてください。
中古車販売のディーラーは、安価で引き取りを行っている場合が多いため、正規ディーラーよりもおすすめです。個人経営の販売店なら、付き合いが長いほど安くタイヤを回収してくれる場合もあります。
ディーラーでの費用相場 | 約350円 |
方法5.不用品回収業者に処分してもらう
不要な家具や家電の回収を行っている不用品回収業者でも、廃タイヤの回収をしています。車や自転車など種類に関係なく、どんなタイヤでも引き取ってくれるのは大きなメリットです。また、問い合わせをすれば希望の日時に業者が自宅まで訪問し、運び出してくれます。
- タイヤの数が多くて処分が大変
- 忙しくて処分する時間がない
上記の悩みを抱えている方には、不用品回収業者の利用がおすすめです。ただし、他の処分方法と比べて費用が割高になるためご注意ください。トラック積み放題のプランであれば、タイヤ単体で依頼するよりもお得に処分できるため、検討してみてください。
不用品回収業者での費用相場 | 1本約1,000~2,000円 |
方法6.自動車修理工場に持ち込む
不要になったタイヤを車の修理・整備工場に持ち込んで処分してもらう方法です。車の修理や車検のついでに相談してみましょう。
料金は各工場で異なり、比較的安く引き取ってくれます。付き合いが長い工場なら、割引してくれることもあります。
自動車修理工場での費用相場 | 1本約250~550円 |
【まだ使える場合】タイヤの処分方法

まだ使えるタイヤを処分する方法は、以下3つです。
- フリマアプリやオークションに出品する
- タイヤ専門の中古販売業者に依頼する
- リサイクルショップに持っていく
問題なく使えるタイヤであれば、売却して現金化できる可能性があり、お得に処分できます。
方法1.フリマアプリやオークションに出品する
フリマアプリやネットオークションでは、車タイヤの売買が行われています。出品の際は、タイヤのメーカーや大きさ、年式などの詳細を記載します。その後、ユーザーが見やすいように写真を撮影し投稿すれば完了です。
タイヤに傷がある場合などは、商品詳細にしっかり書き込みましょう。丁寧に書いておけば、個人とのトラブル防止につながります。
フリマアプリやネットオークションには「新品でなくても使えるなら買いたい」という方が多いです。買取業者やリサイクルショップで買取不可でも、売却できる可能性があります。思わぬ金額で売れることもあるため、使えるタイヤなら出品してみてはいかがでしょうか。
フリマアプリやオークションでの出品相場 | 4本約6,000~26,000円 |
方法2.タイヤ専門の中古販売業者に依頼する
中古タイヤやホイールの販売業者では、不要なタイヤの買取サービスを行っています。
- お店までタイヤを持参して買い取ってもらう店頭買取
- 専用の梱包キットに入れて送る宅配買取
- 業者が自宅まで訪問し回収する出張買取
業者によって、さまざまな買取方法があります。中でも出張買取は自分で運ぶ必要がないため、手間をかけずに処分可能です。ただ、どんなタイヤでも買い取ってくれるわけではありません。
- ホイールが付いていないタイヤ
- 使用年数が2年以上経過しているタイヤ
- ひび割れしているタイヤ
買取対象外の条件は、各業者によって変わります。上記のタイヤは買い取ってもらえない場合がほとんど。買取査定に出す前にタイヤの状態や使用年数を確認しましょう。
タイヤ専門の中古販売業者での買取相場 | 4本4,000~20,000円 |
方法3.リサイクルショップに持っていく
リサイクルショップでも、タイヤを買い取ってくれることがあります。リサイクルショップも、ホイール付きの条件が多いです。費用がかからず、ホイールを外す手間も省けるのは嬉しいポイント。
状態が悪くて査定額が付かなくても、無料で引き取ってくれるパターンもあります。ただし、タイヤのみの場合は買い手が付きにくいため、買取不可になりやすいです。
リサイクルショップでの買取相場 | 4本約4,000~15,000円 |
タイヤを処分する際の料金相場

タイヤを処分する際の費用相場・買取相場を処分方法ごとに分けました。各料金は、業者やショップ、タイヤの状態によって大きく変動するため、参考程度にご覧ください。
自治体に粗大ごみとして出す | 自転車タイヤ約200~400円 |
ガソリンスタンドでの費用相場 | 1本約300~350円 |
タイヤの販売店・カー用品店で費用相場 | 1本約300円 |
ディーラーでの費用相場 | 約350円 |
不用品回収業者での費用相場 | 1本約1,000~2,000円 |
自動車修理工場での費用相場 | 1本約250~550円 |
フリマアプリやオークションでの出品相場 | 4本約6,000~26,000円 |
タイヤ専門の中古販売業者での買取相場 | 4本4,000~20,000円 |
リサイクルショップでの買取相場 | 4本約4,000~15,000円 |
処分するタイヤ次第で売ることも可能
まだ使用できる中古タイヤの場合、高値で売却できる可能性があります。
以下に当てはまるタイヤを処分しようとしている方は必見ですので、チェックしてみてください。
・製造年週が新しめのタイヤ
・希少価値の高いタイヤ
・人気のあるタイヤ銘柄
・未使用のタイヤ
中古専門店であれば、ある程度の安全性を確保できるので安心して取引を行うことができます。また、実店舗のほかにもインターネット上でお店を構えている業者も増加しているため、まずは問い合わせをしてみるのもよいでしょう。
タイヤを破棄するか売却するかの判断基準

タイヤを処分する際、破棄するか売却するかは悩むところ。破棄か売却かの判断は、タイヤの状態を見て決めることが重要です。
- 溝がない
- 大きなヒビが入っている
- ワイヤーが見えている
上記3点の条件に当てはまるタイヤは、値が付かないことがほとんどなので、確認しましょう。
溝がない
タイヤがすり減って溝がないタイヤは、破棄を検討しましょう。タイヤの溝は道路交通法で1.6cmと定められています。
溝がなくてツルツルのタイヤは事故の発生率が高くなります。スリップサインが見えているタイヤは売却できないため、すぐに処分してください。
大きなヒビが入っている
タイヤにヒビが入っている場合は、たとえ溝があっても売却不可になることが多いため、破棄しても問題ありません。
タイヤは、劣化・紫外線・空気圧不足が原因でひび割れを起こすことがあります。走行中にパンクする危険性が高いため、早急に交換することが必要です。
ワイヤーが見えている
タイヤからワイヤーが出ている場合も、破棄するタイミングです。ワイヤーが見えている状態はバーストしやすく、とても危険です。
買取に出したとしても値が付かないため、破棄した方がスムーズに処分できます。
タイヤの処分なら「すぐ片付け隊」にお任せ!
タイヤの状態がよければ買取に出すのがおすすめですが、ボロボロになったタイヤは破棄するほかありません。
破棄する場合は、お片付けのプロ「すぐ片付け隊」にご相談ください。すぐ片付け隊なら、どんな状態のタイヤでも数に関係なくお引き取りします。
お見積りも無料で承っているため、まずは以下のお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
まとめ
タイヤの処分は、基本的には自治体での回収が行なわれていないため、一般的にはガソリンスタンドやタイヤ販売店など、タイヤに関するサービスを設けているお店に依頼したり、不用品回収業者に依頼することがベストです。
記述した通り、不法投棄をした場合は厳しい罰則があるため、正しい方法での処分が必要となります。タイヤの状態によっては高値で売却できる可能性もあるので、お金をかけて処分する前に一度確認してみるとよいでしょう。